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向吉悠睦

向吉悠睦
  • 1961年鹿児島に生まれる。
  • 松久朋琳師宗琳師(京都仏像彫刻研究所)に内弟子として入門
    第16回京都府工芸産業技術コンクール佳賞「聖観音」
    第17回京都府工芸産業技術コンクール奨励賞「十一面観音」
    第18回京都府工芸産業技術コンクール奨励賞「毘沙門天」
    「あさば仏教美術工房」設立(内弟子12年で独立)
    第19回京都府工芸産業技術コンクール佳賞「阿弥陀如来」
    鹿児島黎明館にて「仏教美術展」
    第20回京都府工芸産業技術コンクール優賞グランプリ「聖観音」
    高野山勧学院「国宝大日如来レプリカ」制作
    第22回京都府工芸産業技術コンクール招待(以降5年)
    大徳寺総見院に等身「古渓宗陳像」を収める
    大阪大本山法楽寺三重塔内大日如来造仏
    高野山根本大塔五智如来像御修復
    大阪大本山法楽寺より「大仏師号」を賜る
    神戸にて個展
    淡路八浄寺に大日如来、七福神を納める
    淡路八浄寺より「大仏師号」を賜る
    正法山大観寺に本尊大日如来他五体を納める
    東京にて個展
    ハワイ・ホノルルアカデミー美術館にて仏像の展示、実演
    大慧会に釈迦如来5体目を制作
    写真家西宮正明氏による写真集「向吉悠睦の彫刻」出版
    千手院観音庵に金剛界大日如来、胎蔵界大日如来、十一面観音菩薩を制作
    総本山根来寺愛染堂に愛染明王像を制作
    奈良壷阪寺に「夫婦観音」を納める
    四国八十八ヶ所82番根香寺五大明王の内・不動明王像修復(鎌倉の銘文が出る)
    四国八十八ヶ所82番根香寺五大明王の内・軍荼利明王像修復
    四国八十八ヶ所82番根香寺五大明王の内・大威徳明王像修復
    貧如の一燈「照の像」を制作
  • 2007年チャールズ・レイ氏の依頼木彫作品「桧」4年間で完成しアメリカ・シカゴ美術館へ納品される
    「やさしくわかる仏像入門」出版
  • 2008年広島天満屋にて個展
    仙台三越にて個展
  • 2009年醫王寺に不動明王像を納める
    福山天満屋にて個展
    向吉悠睦・中村佳睦デビュー20周年
  • 2010年東京西新井大師徳壽院に本尊大日如来を納める
    東京西新井大師徳壽院より「大仏師号」を賜る
  • 2011年阿含宗九州本部に準提観音を納める
    京都阿含宗に准胝観音とお色目直しの恵比寿大黒天を納める
    京都大徳寺龍光院頂相像4体を御修復
    阿含宗本山に準提観音、龍神不動明王、龍神愛染明王を納める
  • 2012年京都阿含宗に宝船を納める
    阿含宗北海道本部に準提観音を納める
    阿含宗関西総本部に準提観音、不動明王を納める
    チャールズ・レイ氏の依頼でフランスのパントマイマー、マルセルマルソーの彫刻を始める。
    NHK大河ドラマ「平清盛」に仏師として出演
    ブータンへ取材旅行と法要参列
  • 2013年京都智積院不動明王矜羯羅制多迦三尊の御修復
    阿含宗山口道場に愛染明王を納める
    阿含宗広島本部に準提観音を納める
    阿含宗東海本部に準提観音・龍王ブロンズを納める
  • 2014年中山寺に弘法大師像、役行者像を納める
    三越日本橋本店にて「第2回あさば一門展」を開催する
    エリッククラプトン氏に毘盧遮那仏龕を納める
    滋賀県教育委員会文化財保護課「千年の美」つたえ人養成講座講演会
  • 2015年ブータン国王様に「不動明王仏龕」と皇太后様に「ヴァジュラダーラ仏龕」を納める
    東久邇宮記念賞
    高島屋大阪難波店にて個展
    台湾の台北と高雄で個展
  • 2016年三越東京日本橋本店にて個展
    ホメオパシックエデュケーションに阿弥陀如来・薬師如来を納める
    龍泉寺に十大弟子の内、3体を納める
    神顕寺に吉祥天を納める
    阿含宗本山に大黒天・役行者・千手観音を納める
    栗東寺に将軍地蔵を納める
  • 2017年新健康協会に千手観世音菩薩を納める
    中山寺に4如来を納める
  • 2018年高島屋大阪難波店にて個展
    「大天使」制作開始
  • 現在は、本拠地の大阪で仏像彫刻講座を開くほか、全国の有名百貨店で個展を行うなど仏像普及のため精力的な活動をしている。
  • ■大仏師号とは
    寺院の格式を表す等級は、上から「総本山」「大本山」「別格本山」「本山」「末寺」の順に表され(※)、最上位の総本山または大本山から授かる総棟梁としての仏師の称号を「大仏師」と言います。
    寺院の境内は、主要建築物の伽藍(本堂・金堂・講堂・鐘楼・経蔵・僧房・食堂・仁王門など)と、仕上げに建立される塔(三重塔、五重塔、多宝塔など)から成り立っています。伽藍整備には約250年近くかかるとされ、「大仏師号」は総仕上げとなる塔の本尊を造仏した仏師に授けられます。本尊を造仏する仏師は全国から選ばれますが、いかに技量や人格が優れていても「御縁」がなければその時期にめぐり合うことすらできず、大仏師号を賜ることはできません。
    令和3年の現在、大仏師号を賜る仏師は7名。そのうち複数の寺院から大仏師号を授かる仏師は、向吉悠睦師を含め2名のみとなっています。
    (※)総本山を設けず大本山を最上位とする宗派もある

インタビュー動画Interview

エピソードEpisode

大阪市旭区は、住宅と町工場が混在する静かな街。そこに、大仏師 向吉悠睦の工房「あさば仏教美術工房」がある。
2メートルほどの一木で制作されたという迫力の観音像が安置された応接間に通され、軽く言葉を交わしてみる。関西人特有の明るい人柄と、幼少より仏像に関わってきた独自の感性、そして僧侶のような優しさを感じた。
工房ではたくさんのお弟子さんたちが、寺院から依頼を受けた仏像の修復をしていた。そこへ向吉先生が現れ彫刻を始めると、場の空気が一変。自在かつ大胆な荒彫りの一刀が「カン!」と高く響き、大きな木材から徐々に仏像が姿を現わす様に、大仏師の技量を見せつけられた。
ひとたび工房を離れると、向吉先生はもとの柔和な表情に戻り、様ざまな話を聞かせてくれた。こちらからの質問に理路整然と答える姿に、向吉悠睦の確固たる信念を見た。

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